フェイスクリーム（シワ改善・シミケア・保湿）選びの4つのポイント

①シワに効果的な有効成分を配合したものを選ぶ

フェイスクリームに含まれる有効成分には、シワ改善・シミケアに効果のあるものがいくつかあります。 ここでは、「シワ改善」「シミケア」それぞれのお悩みのケースで注目していただきたい有効成分をご紹介します。

シワが気になる方

・ナイアシンアミド

ナイアシンアミドは水溶性のビタミンB3の一種で、エイジングケア効果があるとして注目されるようになった成分です。 セラミドやコラーゲン生成を促進し、肌弾力と潤いをアップさせてくれるので、高いシワ予防効果が期待できます。 ナイアシンアミドは低刺激であることから、敏感肌の方にもご使用いただけます。

・純粋レチノール

純粋レチノールとは、ビタミンAの一種で、潤いにより肌を守る効果があり、ハリの低下した肌に有用とされている成分です。 ここ数年注目され、美容業界では幅広くエイジングケアに幅広く取り入れられるようになりました。 ただし、熱や光、酸素に弱いといった性質があるため、使用や保管に際しては注意が必要です。

・ニールワン

ニールワンとは、ポーラ・オルビスホールディングス独自の医薬部外品有効成分であり、4種のアミノ酸誘導体から成るシワ改善成分のこと。 真皮のコラーゲンを過剰に分解し、シワを作り出す酵素・好中球エラスターゼの働きを抑制させる効果が確認されています。

・シミケアも同時にしたい方は、シミケアの有効成分入りがおススメ

「シワ」と並び、年齢を重ねた肌トラブルの代表格といえば「シミ」。エイジングケアにお悩みの方の大半が、「シワとシミの両方に対策したい」と考えるのではないでしょうか？ シワケアと同時にシミの予防にも取り組みたい方は、シワ改善への有効成分に加えて、シミケア成分も配合されたフェイスクリームに注目しましょう。 具体的には、シワ改善と同時にシミケアも出来るナイアシンアミドや後述するトラネキサム酸や水溶性プラセンタエキスといった成分を含むものがオススメです。

シミが気になる方

・トラネキサム酸

トラネキサム酸は、タンパク質の構成成分である必須アミノ酸リシンを元に人工合成されたアミノ酸の一種です。 炎症を引き起こす生体内の酵素・プラスミンを抑制する抗プラスミン作用を有することから、一般的には喉の痛みや炎症をおさえる内服薬として処方されていました。 しかしながら、プラスミンにはメラノサイトを活性化させ、シミの元となるメラニン生成作用があることが判明したことから、この作用を抑えるトラネキサム酸が美肌成分として用いられるようになりました。

・水溶性プラセンタエキス

水溶性プラセンタエキスとは、哺乳類、ブタの胎盤から無菌的に水で抽出・精製して得られる水溶性の生体複合エキスのことです。 10数種のアミノ酸をはじめ核酸様物質、各種ビタミン類、ミネラル、酵素、ムコ多糖類など豊富な栄養素が含有され、メラニン生成の抑制に効果が期待できます。 さっぱりとした使用感ながらもしっかりと肌に潤いを与えてくれます。ただし、性質上、独特の臭いが感じられる製品もあるため、あらかじめテスター等で確認されておくと安心です。

・4MSK

4MSKとは、株式会社資生堂が独自に開発したシミケア成分・サリチル酸の誘導体で、正式名称を「4-メトキシサリチル酸カリウム塩」といいます。 サリチル酸には角質をやわらかくして溶かす作用があり、シミ部位で生じている慢性的な角化プロセスの正常化、蓄積されたメラニンの排出に効果が期待されます。 この他、メラニン生成の抑制にも有効で、これから現れるシミへのアプローチに積極的に取り入れたい成分のひとつといえます。

うるおい成分

・レチノール誘導体

レチノール誘導体とは、「レチニルエステル」というビタミンＡの一種。ビタミンＡは、コンディションを整えてくれる美肌成分として知られています。 一般的に、ビタミンＡには「紫外線等の外的刺激に弱く破壊されやすい」という特徴がありますが、レチニルエステル（レチノール誘導体）としてであれば肌内部に貯えることができます。 つまり、スキンケアとしてビタミンAを補給する際には、肌にたっぷり貯えられる形であるレチニルエステル（レチノール誘導体）の形で補給するのが効果的です。

・セラミド

セラミドは、お肌の潤いを維持する保湿因子として知られる成分です。お肌の潤いは、表皮の外側の角層の働きで維持され、この角層は「皮脂膜」「天然保湿因子（NMF）」「細胞間脂質」から成ります。 セラミドが含まれるのは「細胞間脂質」で、ここではセラミド等の脂質と水分が層を形成し肌に水分を保つ役割を担っています。 セラミドは、お肌のターンオーバーの過程で生成される成分ですが、乾燥等の外的環境や加齢によって失われるため、意識的に補ってあげるのがおすすめです。

・ペプチド

ペプチドは、2個以上のアミノ酸分子の化合物のこと。一般的に、アミノ酸が50個以上結合したものがタンパク質、50個未満のものがペプチドと定義されています。 タンパク質は筋肉や皮膚を構成する主要な栄養素として知られますが、ペプチドもまた、肌に欠かすことのできない成分です。 ペプチドは、お肌のコンディションを整え、皮膚からの水分蒸発を防いでくれます。 また、ハリ・ツヤの元となるコラーゲンやエラスチンとともに、美肌作りの有用成分として注目されています。

②シワ改善やシミケアは、乾燥対策から。高保湿な商品でうるおい補給

現状、シワやシミにお悩みの方であれば、スキンケアは「保湿重視」が鉄則です。シワやシミの原因は、ずばり「乾燥」。 紫外線や気温、湿度等の外部刺激やストレス・食生活の乱れ、間違ったスキンケア、加齢等、お肌の乾燥を招く要因は身近にいくつも想定されます。 お肌の水分が不足すると、肌表面がハリを失い、縮んでしまいます。この縮んだ部分が、小ジワやちりめんジワです。これらが数を増したり、大きなシワを形成したりすることで、顔のシワが目立つようになります。 また、乾燥によって肌バランスが乱れてコンディションが低下すると、紫外線が肌の内部に侵入しやすくなり、シミの元となるメラニンが増えていきます。 加えて、乾燥が進んだお肌は正常なターンオーバーが困難となり、本来であれば一定の周期で剥がれ落ちるはずのメラニンが蓄積されやすくなることで、シミはどんどん濃くなります。 シワ・シミ対策の最初の一歩として、まずおすすめしたいのが「スキンケアの見直し」です。 洗顔の際等にお肌をゴシゴシこすらない、毎日の紫外線対策を徹底する、保湿力重視でスキンケアアイテムを選ぶ等はもちろんのこと、さらに周囲に差をつけたいなら「仕上げのひと手間」が肝心です。 いつものスキンケアの最後にフェイスクリームをプラスするだけで、お肌の表面に潤い層を形成し、保湿成分を閉じ込めることができます。

③肌タイプに合わせた使用感（テクスチャー）でチョイス

ひと口に「フェイスクリーム」といっても、その特徴は様々です。保湿効果の高いアイテムの場合、しっとりとした使い心地のものがイメージされるかもしれませんが、同じような有効成分のものでも、みずみずしさを重視した軽いつけ心地のものもあります。 ここでは、肌質別におすすめのテクスチャーをご紹介しましょう。

・混合肌の方におすすめなのは

口元や頬は乾燥しがちだけれど、Ｔゾーンのテカりが気になる混合肌タイプの方は、肌バランスを内面から整える「セラミド」が配合された、さらっとしたつけ心地のフェイスクリームがおすすめです。 混合肌の場合、おでこや小鼻のべたつきが気になるからといって、つい保湿をおろそかにしがちです。しかしながら、混合肌の人ほど保湿を省くのは厳禁。 なぜかというと、そもそもお肌の乾燥が原因で、皮脂の過剰分泌が生じている可能性がある からです。このようなお肌は、表面はべたついても内側が乾燥しているため、保湿によって角層の水分保持力を高めてあげること、つまりセラミドを補うことが重要なのです。 軽いテクスチャーであれば、混合肌の方の悩みのタネであるべたつきを抑えつつ、必要な部分を保湿することができます。

・乾燥肌の方におすすめなのは

お肌のカサつきが気になる乾燥肌の方も、混合肌同様、「セラミド」でお肌の基礎を整えるのがおすすめです。 テクスチャーとしては、油分多めのしっとりタイプを選んで、お肌に潤いを閉じ込めるようにするとより効果的です。 健康なお肌は、水分と油分のバランスが整っている状態。ところが、乾燥肌の方は皮膚のコンディションが低下しているために、あらゆる外的刺激を受けやすくなっています。 角層内の水分蒸散を防ぎ、お肌のコンディションを助けてくれるセラミドを補って、肌トラブルが起きにくいお肌を目指しましょう。 セラミドの他、角層の水分保持に有用なヒアルロン酸やコラーゲン、コラーゲンの働きを補助するエラスチン、保湿力を高めるグリセリンやスクワランといった成分にも注目すると良いでしょう。

・脂性肌の方におすすめなのは

顔全体のテカりが気になる、顔を触ると手には皮脂によるべたつきが感じられるという方は、脂性肌の可能性があります。脂性肌のスキンケアでは、肌表面の皮脂や汚れをしっかりと取り除くこと、その後に十分保湿することを意識します。 べたつきを心配して保湿を省略したくなる方も多いと思いますが、混合肌の項目で解説した通り、乾燥によって皮脂の過剰分泌がますます進んでしまうことがありますから、保湿はマストです。 ただし、油分をたっぷりと含有したしっとり系のテクスチャーのフェイスクリームは毛穴詰まりの原因になるため注意しましょう。 お肌の内部に潤いをとじこめてくれる「ヒアルロン酸」や「グリセリン」等の成分を多く含んだ、軽いつけ心地のアイテムがおすすめです。

④敏感肌ならエタノールや精油には注意。パッチテストも参考に

「スキンケアアイテムを変えると炎症や肌荒れを起こしてしまうので、いつも同じものを使っている」という敏感肌の方も多くいらっしゃるかもしれませんね。 しかしながら、肌質は年齢や体調、環境等で刻々と変化しますから、その時々に適したケアができなければお肌のダメージは深刻化の一途をたどります。 敏感肌の症状を悪化させてしまう可能性は高いといえます。 敏感肌にお悩みであれば、まず目を向けるべきは「お肌を正常な状態に整えること」。 具体的には、お肌のコンディションを助けてくれるフェイスクリームに注目すると良いでしょう。 肌内部の潤い保持に有効な「セラミド」、コンディションを整えてくれる「ペプチド」等の成分が効果を発揮してくれます。 ただし、敏感肌の場合、「植物エキス」や「精油」、着色剤や香料、防腐剤として用いられる「パラベン」「フェノキシエタノール」を含むスキンケアアイテムは、刺激になりやすいためご注意ください。 また、フェイスクリームに含まれることは稀ですが、化粧水等に含まれる「エタノール（アルコール）」でもかぶれや炎症が生じることがあります。 初めて使うスキンケアアイテムは、顔に使用する前に腕の内側でパッチテストを行い、異常がないことを確認しておくと安心です。

フェイスクリームの正しい使い方

フェイスクリームは、いわば「スキンケアの総仕上げ」。「フェイスクリームさえ塗っておけば大丈夫」というものではなく、正しい手順で使うことで効果を発揮してくれます。 まずはスキンケアの手順を確認しておきましょう。 フェイスクリームを塗る際には、塗りムラに注意しましょう。額・両頬・鼻先・あごに適量をのせ、まんべんなく伸ばします。 ポイントは、両手を使って顔の内側から外側に向け、横方向にゆっくりとやさしく伸ばすこと。お肌のキメや筋肉の流れに沿わせるイメージで、なじませます。 顔全体にクリームが行き渡ったら、手のひらでお肌を軽くたたいてハンドプレスを。その際、べたつきが感じられる箇所はティッシュオフを、カサつくパーツにはクリームをプラスしておきます。

フェイスクリームに関するQ&A

Ｑ．フェイスクリームは夜だけでなく、朝や日中にも使えますか？

Ａ．クリームにも依りますが、夜だけでなく、朝や昼間にも使えるフェイスクリームはたくさんあります。 夜のお手入れでは紫外線等から受けた刺激のケアとして、朝や日中のお手入れでは外部刺激からお肌を守るためのケアとして、フェイスクリームをご活用いただけます。 ただし、しっとりとしたテクスチャーのクリームは、お化粧前にたっぷり塗布するとメイク崩れの原因になります。ナイトケアの時よりも量を控えめにする、メイク崩れが起こりやすいＴゾーンや小鼻周りは軽くティッシュでオフしておく等の対策を講じておくと安心です。

Ｑ．普段から、フェイスクリームで肌を潤しているのに、午後にはすっかりお肌が乾燥気味に。どのような対策が効果的ですか？

Ａ．メイク前のスキンケアで、化粧水、美容液、クリームの正しい手順で保湿対策を行っているのに乾燥が改善されない場合、まず見直すべきは「洗顔」です。クレンジングや洗顔の際に必要な皮脂まで取り除かれ、潤いが奪われている可能性があります。 今使っているものよりもマイルドな洗顔料に切り替え、ゴシゴシ洗わないように注意してみましょう。 また、お肌のコンディションが乱れている可能性が高いので、フェイスクリーム選びの際には、コンディションの強化、保湿力アップに効果的な「保湿成分」に注目するのがおすすめ。テクスチャーは、油分が多めのしっとりとしたものが良いでしょう。

Ｑ．フェイスクリームに使用期限はありますか？

Ａ．フェイスクリームを始め、どんなスキンケアアイテムにも使用期限が設定されています。使用期限は商品に記載されている場合がほとんどなので、パッケージや外箱等で確認しましょう。 使用期限ではなく製造年月日が書かれている場合、未開封の状態で高温や直射日光、高湿度、温度変化が激しい環境下に置かれているのでない限り、「製造から3年間」を目安とします。 ただし、開封済みのものに関しては、臭いや分離の状況等から判断します。 フェイスクリームを保管する際、容器の口元をきれいにふき取る、キャップをきちんと閉める、温度変化が少なく直射日光のあたらない場所に保管するといったことに留意しましょう。